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労働者派遣事業の財産要件とは?~資本金2,000万で足りない理由と許可基準・現預金の計算ポイント~

「派遣会社を始めるには、資本金が2,000万円あれば大丈夫ですか?」
労働者派遣事業の許可申請を検討する際、このような疑問を持つ方は少なくありません。派遣事業では、派遣労働者を安定して雇用できる経営基盤が求められるため、許可基準の一つとして「財産的基礎(財産要件)」が厳格に設けられています。
ただし、単に資本金だけを見て判断できるものではありません。決算書の内容や事業所数によって確認すべきポイントが大きく変わります。本記事では、許可申請前に必ず押さえておきたい財産要件の計算方法と注意点を分かりやすく解説します。
派遣業の許可に必要な財産要件「3つの基準」
労働者派遣事業の許可を得るには、直近の決算において以下3つの財産基準をすべて満たす必要があります。
|
確認項目 |
原則的なクリア基準 |
1事業所の場合の必要額 |
|
基準資産額 |
2,000万円 × 事業所数 以上 |
2,000万円以上 |
|
負債割合 |
基準資産額 ≧ 負債総額 ÷ 7 |
基準資産額は負債総額の1/7以上 |
|
現金・預金額 |
1,500万円 × 事業所数 以上 |
1,500万円以上 |
※たとえば1事業所で申請する場合、基準資産額2,000万円以上かつ現預金1,500万円以上が絶対条件となります。
「資本金2,000万円=財産要件をクリア」ではない点に注意が必要です。
「基準資産額」と「資本金」の違い
財産要件で最も誤解されやすいのが「基準資産額」です。基準資産額は単なる登記上の資本金額ではなく、貸借対照表(B/S)をベースに算出されます。
算出方法:資産総額から負債総額を差し引き、さらに繰延資産や営業権などを控除して調整
- 資本金2,000万円でも不可になるケース
多額の負債や過去の累積赤字(繰越利益余剰金のマイナス)がある場合
- 資本金が少なくても可能なケース
利益剰余金が積み上がっており、実質的な純資産が基準を満たしている場合
まずは直近の決算書(貸借対照表)をもとに、許可基準上の基準資産額がいくらになるのか正確に試算することが重要です。
事業所数を増やす場合の必要資金
財産要件は「申請する事業所(拠点)の数」に応じて比例して増額されます。
- 1事業所:基準資産額 2,000万円/現預金 1,500万円
- 2事業所:基準資産額 4,000万円/現預金 3,000万円
- 3事業所:基準資産額 6,000万円/現預金 4,500万円
「東京と大阪の2拠点で同時にスタートしたい」と計画していても、想定以上の資金が必要になるケースがあります。事業計画の段階で、展開する拠点数と必要な資金力をセットで検討しましょう。
実務でチェックすべき5つの確認リスト
許可申請をスムーズに進めるため、事前に以下の5項目をチェックしてください。
- 資本金だけで判断していないか(基準資産額をB/Sから正しく計算する)
- 負債総額とのバランスは問題ないか(負債の7分の1以上あるか)
- 現預金残高は足りているか(1500万円×事業所数)
- 事業所数を何箇所でスタートするか明確になっているか
- 直近の決算書を早期に確認したか
労働者派遣事業の許可申請では、財務面(財産要件)のクリアが最大のハードルとなります。「資本金が2,000万円あれば安心」と決めつけず、直近の決算書や預金残高から正確な数値を確認しましょう。
なお、派遣業の許可には財産要件以外にも、「事業所物件の要件」「派遣元責任者の配置」「キャリア形成支援制度」「個人情報管理」など多岐にわたる審査基準が存在します。
資金計画や決算書の見方、申請書類の作成に不安がある場合は、労働者派遣事業の許可申請に詳しい当事務所へ早めにご相談いただくことをおすすめします。
お電話での問合せ:06-6940-4115
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