コラム
COLUMN

派遣会社を運営する上で、避けて通れないのが「派遣社員とのトラブル」です。
派遣契約は、派遣元・派遣先・派遣労働者の三者が関わる複雑な仕組みであるため、一度トラブルが発生すると、派遣先からの信用失墜や損害賠償請求など、大きな経営リスクに発展しかねません。
本コラムでは、派遣会社が直面しやすい3つの代表的なトラブル事例を挙げ、その法的リスクと社労士の視点から見た予防策をわかりやすく解説します。
事例1:突然の無断欠勤・連絡不通(バックレ)
【よくある相談】
就業開始から数日しか経っていない派遣社員が、突然連絡もなく欠勤。電話もつながらず、派遣先からは「代わりの人をすぐに出してくれ」と怒りの連絡が入ってしまった。
■ 派遣会社が抱えるリスク
急なバックレは、派遣先との信頼関係を著しく損ない、派遣契約の解除や損害賠償請求に発展する恐れがあります。
また、連絡が取れないからといって、派遣会社側が勝手に「解雇」として処理を進めてしまうと、後々「不当解雇だ」と労働トラブルに発展する(解雇予告手当の請求など)二次災害のリスクも潜んでいます。
■ 社労士が教える予防策・対応策
- 就業規則に「自然退職」の規定を設ける
無断欠勤が〇日以上続き、連絡が取れない場合は「自己都合退職(自然退職)」とみなすというような条項を、あらかじめ就業規則に明記しておくことが極めて重要です。
- 初動の書面送付
電話がつながらない場合は、速やかに「生存確認」および「出社督促」の書面(特定記録郵便など)を自宅へ送付し、会社側が適切な対応を行った証拠を残しましょう。
事例2:派遣先でのハラスメント問題(パワハラ・セクハラ)
【よくある相談】
派遣社員から「派遣先の指揮命令者から毎日のように怒鳴られ、精神的に追い詰められている。うつ病になったので労災を申請したい」と相談があった。
■ 派遣会社が抱えるリスク
「ハラスメントを行っているのは派遣先(他社)なのだから、自社には責任がない」と考えるのは大きな間違いです。
法律上、派遣元(派遣会社)にも労働者に対する安全配慮義務があります。労働者からのSOSを放置した場合、派遣元も派遣先と連帯して損害賠償責任(民法上の不法行為や安全配慮義務違反)を問われるリスクがあります。
■ 社労士が教える予防策・対応策
- 相談窓口の周知と迅速な事実確認
派遣社員が相談しやすい体制を整え、相談があった際は即座に派遣先の責任者(派遣先責任者)に連絡し、事実確認と再発防止を求めます。
- 派遣契約書への条項盛り込み
労働者派遣契約書において、派遣先におけるハラスメント防止義務や、問題発生時の協力義務について明確に定めておくことが実務上有効です。
事例3:契約外業務の強要・「聞いていた仕事と違う」
【よくある相談】
事務職として派遣したスタッフから「実際に行かされた現場では、倉庫での重労働や雑用ばかりさせられる。話が違うので今すぐ辞めたい」とクレームが入った。
■ 派遣会社が抱えるリスク
派遣個別契約書に記載のない業務を派遣先が指示することは、派遣法違反(契約外労働の禁止)にあたります。
これを放置すると、派遣社員の離職率が高まるだけでなく、派遣先への指導不足として派遣元が行政指導の対象になる可能性もあります。
■ 社労士が教える予防策・対応策
- 派遣先への「事前ヒアリング」と「適切な契約書作成」
契約を結ぶ段階で、派遣先で行う業務範囲を明確に限定し、書面に細かく落とし込みます。
例えば、金銭取扱いの上限を定めたり、フォークリフトや軽トラの運転業務がある場合はそのルールを別途覚書を作成することが重要です。
- 定期的なフォロー(巡回)
就業開始後、早い段階で担当者が現場を訪問し、契約内容と実際の業務に乖離がないかを派遣社員・派遣先の双方からヒアリングします。
トラブルを未然に防ぐ「強い就業規則」と「正しい契約管理」
派遣会社におけるトラブルの多くは、「就業規則の整備」と「派遣先との事前の契約書設計」によって、その大部分を未然に防ぐ、あるいは最小限に抑えることができます。
「今の就業規則で万が一のトラブルに対応できるか不安…」
「派遣先との責任分担をクリアにしておきたい」
そんな時は、派遣業界の労働法務に強い当事務所(社労士)にぜひ一度ご相談ください。貴社のビジネスを守るための最適なリーガルサポートを提供いたします。
お電話での問合せ:06-6940-4115
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